2009年3月30日月曜日

中間テストの準備中

経腸・静脈栄養クラスの中間テスト準備中です…。

■PNの開始時に心強い目安: 7日間絶食の患者がTPNをはじめることになった。絶食の間、患者は、D5 1/2NS with 20 mEq of KCl を一時間当たり75 mLで使用。尿アウトプットは500cc。検査値は、Na 138、K 3.8 Cl 101, CO2 28、BUN 10、Creatine 0.9。この例題、嬉しいことに全部ノーマル値。TPNのオーダーはどうする?

今のD5 1/2NS with 20 mEq of KCl at 75 mLで上手くいっている様子が分かるので、TPN開始時もその量に合わせてみる。

・1日のボリュームは75mlx24時間=1800ml
・D5 1/2NSから、ナトリウム77x1.8ml(上のボリューム)=138 (
*生理食塩水には、 Naが154mEq/L&CLが154mEq/L含まれます。1/2NS(生理食塩水)にはもちろんその半分の77 mEq Na/Lと77 mEq Cl/Lが含まれます。
・カリウムは20x1.8(ボリューム)=36

よって1800 ml, 138 mEq NaCl, 36 mEq KAcが推測できる。 
でも、そこから一歩踏み込んで、全部をNaClにしないで、半分をNaCl、半分をNaAcに分けるのがよいそう。なぜならclとacetate saltsは1対1が理想だからだそう。 塩と酸のバランス調整のために、NaClとNaAcの合わせる量を変えたりできる。

■PNでのグルコース
グルコースのbasalの目安は10Kcal/kg/d(目安もいろいろありますが…)。50キロの人では500カロリー(125グラム)。ときどき糖尿病の人は、デキストロースはダメとか、クリア食(液体オンリーの食事)なのにソーダはダメと言っている人を何人も見てきましたが、それは間違いです…。それとは逆に、静脈からのデキストロースは血糖値をあまり上げないと考えている人もいるようですが、実際はもっと上がりやすくなります。高血糖の場合、デキストロースの量は、4mg/kg/minを目安にするといいようです。また、インスリンのレギュラーをPNに足したりします。


↓ここからは自分用のメモ書きで、断片的な情報です。


・在宅TPNの患者さが過去二日間嘔吐のため電話をしてくる。どんな検査値が予想されるか?
低ナトリウム血症&代謝性アルカローシス。嘔吐することでナトリウム量が多い胃内容物を喪失するため。NG suctionでもUpper GIからのhydrogenとchloirdeの喪失で代謝性アルカローシスが見られることも。ナトリウムはTPNとか生理食塩水で補給。そしてacetate saltsの除き、代わりにchloride saltsを使う。ちなみに、アミノ酸には必ずacetateが入っている(72-151mEq)。

・Pancreatic fistulaがある患者さんに何の処置もしない場合、何が起こるか?
代謝性アシドーシス。代謝性アシドーシスの一般的な理由は胃腸からのHCO3-(bicarbonate)の喪失。Pancreatic分泌液のHCO3-は90mEq/L、下痢は45mEq/L、小腸は25mEq/Lなどなど。その対処はTPNで酢酸塩 (acetate)を増やす。TPNにそれ以上足せない場合は、個別に投与。


・Renal tubular acidosis のために代謝性アシドーシスが起こった。どうする?
acetateを足す。

・chloride欠乏=
Cl deficit in mEq = 0.5 X 70 kg X (normal(95)-Measured plasma chloride (85)) =350
Chloride deficit (mM) = 0.5 70 X (95-85) = 350.
The valence of Cl is 1. So a mM of Cl is the same as a mEq of Cl

・アルカローシスは低カリウム血症に、アシドーシスは高カリウム血症になりうる。
・1 g calcium gluconate =4.65 mEq of cacium
・Bicarbonateは不安定なのでPNに加えることはできない。代わりに酢酸塩 (acetate)と加える。acetateは肝臓でBicarbonateにコンバートする。ヘパリンは投与直前に加える。
・高血糖の場合、PNにレギュラーインスリンを加える。それでは不十分なときはSSI.
・新しいMVI(マルチビタミン)にはビタミンKが含まれている。これはPT/INRをに影響を与える可能性がある。場合によっては、ビタミンKなしのMVIの利用が必要かも。
・high output jejunostomyなどのhigh GI lossでは、亜鉛、セレニウムが不足しやすい。
・kの場合は10mEqが0.1ずつ上げる。推測でPNをオーダーする場合は、足りない分の半分を入れる。kは入れすぎて値が上がると、EKGでモニターしたり、インスリンを使ってkをintracelluarに強制的に移動させる。最悪の場合は透析が必要なんてこともある。
・CPN - Central Parenteral Nutritionは1500 - 2000 mOsm/LくらいはOK.
・Estimating Osmolarity of PN Solutions (per liter )
Grams Amino Acids x 10 = __ mOsm
Grams Dextrose x 5 = __ mOsm
Grams Fat (30% emulsion) x 0.67 = __ mOsm
Total mEq of Ca, Mg, Na and K x 2 = __ mOsm
________________________________________
Total Osmolarity per Liter of Solution __ mOsm

長年(n=8、平均14年間(一名が2年))、在宅TPN使った人の解剖によると、Results showed normal
HPN patient values for iron and selenium, mild elevation of zinc,
and major elevations of copper, manganese, and chromium.
・Peripheral Access-small veins of hand/arm, short-term (<7 days), ・在宅PN(HPN)の死因はなんといっても、Catheter associated sepsisが多い。それに続いて肝臓病。 
勉強になります (ひみつ)
2009-03-30 17:16:50
たいへんな宿題ですね。これが実践となると責任重大ですね・・・(汗)。
ところで質問ですが、最初の問題の尿量が少なく感じますが、補正が要らない範囲なのでしょうか?尿量の目安はそちらではどれくらいですか?人種差とかあるのでしょうか?
それと、こちらでは重炭酸リンゲル液(ビカーボン:味の素)がありますが、そちらでは使用していないのでしょうか?
色々お尋ねしてすみません。
ひみつ (あき)
2009-03-31 06:44:51
ほんとに、フィジカルアセスメントにしてもTPNにしても、RDの中には大きな責任を負って仕事している人がいます…。

大人の場合、平均的にはアウトプットは1200ー1500mlくらいのようです。自分の患者のアウトプットが500CCなら、”なんとなく”心配になります。だた、この例題では、この500CCの量、検査値をみると、明らかに不足していないことが分かりますので、ケースバイケースだと思います。Laura先生は、検査値を十分に考慮しないといけないギリギリラインの500CCをわざと選んだのだと思います。また、水分制限の有無の必要性も分からない問題になっています。この辺も、いつも生徒にストーリーを考えさせるLaura先生らしい問題だと思います。

重炭酸リンゲル液に関してですが、こちらでは略語で”RL”と表示されるRinger's Lactateならあります。Na 130mEq/L, K 4mEq/L, Cl 209mEq/L, 重炭酸(HCO3)を酢酸(lactate)として28mEq/L含みます。味の素のサイトをみましたが、ビカーボン注は重炭酸を酢酸で代用していないようですね。「乳酸および酢酸が、重炭酸の代わりに用いられてきました。乳酸や酢酸は、代謝機能に異常のある患者やショック等により代謝機能の低下した患者などでは、十分な効果を発揮できないことが考えられています。」とウェブサイトに書いてありましたが、今の私ではホントに効果的なのかは??です…。