2012年7月31日火曜日

集中治療室でもどんどん栄養を開始しよ〜


集中治療室にいる患者さんでノルエピネフリンとかバソプレッシンを使っている場合でも、よっぽど不安定じゃなければチューブ栄養を開始します。今日も午前中のラウンド中に敗血症性ショックでノルエピネフリンとかバソプレッシンなどを使ってる患者さんのチューブ栄養をはじめました。不安定の度合いに応じて投与量はぐっとさげます。ただ腸を使う事だけが目的で超微量の事もあれば、必要な量の3~5割くらいを投与することもあります。数日間様子をみて栄養剤の種類や量を調整したいと思います。ラウンド・回診って聞くとかしこまった感じがするかもしれませんが、医師達がグルグル回診してるところに一緒に入るだけでとってもにカジュアルです。最初は違和感があるかもしれませんが、慣れれば大丈夫。

ちなみにメルクマニュアルによると
「敗血症性ショックとは、血液が感染する敗血症によって血圧が危機的なレベルまで低下し、血流量が不足して多くの臓器が機能不全に陥る状態をいいます。」続きは
http://merckmanual.jp/mmhe2j/sec17/ch191/ch191c.html

2012年7月29日日曜日

腎臓病食のタンパク質制限をやめちゃおう。

透析導入前の腎臓病ステージ4とかでも、私の病院ではタンパク質を制限しないように変更しようと思っています。最近のリサーチでは(と言ってもこの問題については結構長く語られていますが)、タンパク質制限は透析導入を遅らせるのに役立たないというのがコンセンサスのようです。超ハードな制限を8年とか9年続ければ、透析を一年遅らせるかも、という研究もあったようです。タンパク質を制限してBUNやクレアチンが改善しても、透析が遅らせられないんだったらあまり意味がないと思います。タンパク質制限は大変ですからね。毎日毎日、何年もつきあう事で生活の質も左右しますし。。。

急性期病院にいる患者で透析導入前の人は、かなり体調不良で食欲がないことがほとんどです。そんな時にタンパク質制限がでれば食欲も更におちるでしょう。低栄養によって他の問題を起こしかねません。RDが必要だと判断した場合や、患者がリクエストすればタンパク質制限食を提供するという方向に持っていこうと思います。

2012年7月28日土曜日

とろみ飲料のチェック

最近ずっと問題だった、とろみ飲料について今日チェックしました。とろみは配膳係のダイエットレプがパウダーを加えてつけるんですが、固すぎていつもゼリーみたいになってました。パウターを入れるレシピが間違っているのかと思っていましたが、ダイエットレプが大量のパウダーを入れているのが原因のよう。多分おおさじ2とかを、すり切りじゃなくて、山盛り入れてるんだと思います。

ウチの配膳係のダイエットレプは10人中9人が体格のいい男の子(なんかおばさんみたいな呼び方だけど実際そう、、、)。たっぷりパウダーをすくって混ぜてる様子が浮かびます。来週はみんなを呼んでお話です。

2012年7月27日金曜日

日中ボーラス投与と夜間継続ポンプ投与を追加!

電子カルテになったら、医師の処方のオプションに追加したいと思っていたチューブ栄養の日中ボーラス投与(Daytime Bolus Tube feeding)と夜間継続ポンプ投与(Nocturnal Continuous Tube Feeding)がついに加わることになりました。今までも不可能ではなかったけど非常に不便でした。今日の電子カルテ委員会のミーティングで決定です。これで患者にフレンドリーな栄養処方が出しやすくなります!

日中ボーラス投与は食事の時間や間食の時間のタイミングに合わせて250mlとか400mlとかの栄養剤を一気にボーラスする方法。体内時計というか生活リズムをできるだけ普通にするのが目的です。主にPEGを使ってる場合にやりますが経鼻でやることもあります。もう一つはチューブ栄養の夜間継続ポンプ投与。夕食直後から朝食食前まで12時間くらいの夜間にポンプ投与。完全に口からの栄養に移行する時や、経口だけでは十分栄養が投与できない時につかいます。夜はチューブ栄養、日中は食事ということになります。

2012年7月24日火曜日

あと二人RDを募集

4年間、小児栄養士(小児ICU、新生児ICUを含む)として働いていた人があと2週間で転職することになりました。いや〜残念。4年たつとまた違う事がしたくなるのかな。寂しくなりますわ。。また新しいRDの採用。。

そして今まで熱傷ICUを担当していたRDが別の仕事がとても忙しくなってきたので、このフロアをカバーするRDも新たに採用する必要が出てきたようです。

なんだか入れ替わりが激しいです。まあこれがアメリカなのかな。

2012年7月22日日曜日

適切でない栄養処方

内科集中治療室&急性期内科、病院の5階は全て私の担当。それなりに全員の栄養療法を管理しているつもりですが、患者さんの入れ替わりが多く見落としがあったり、適切でない栄養療法をやってしまうこともあります。昨日は不適切な栄養療法を受けている患者さんを発見。私がこれまで2回みた患者さんですが。。。「が〜ん・・・やばい」。すぐにドクターにコンタクトして栄養療法を変更してもらいました。これから気をつけます。反省です。

「栄養士が提言したことは私に聞かなくていいから」

「栄養士が提言したことはそのままやって。私に聞かなくていいから」、指導医が集中治療室でのラウンド中に言ったセリフ。経口栄養が可能だけど、低栄養が命取りになる可能性があると判断した30歳代の女性患者に、研修医たちにチューブ栄養の導入について話を持ちかけた時の事です。

昨日は将来の進路に迷う栄養学部の4年生を連れて仕事をしていました。この指導医のセリフは強い印象を与えたようです。この4年生を連れている3時間の間に、栄養指導をしたり栄養アセスメントをしたり、異なるグループの医師ラウンドに4回飛び入りして栄養に関してディスカッションをして次から次へと栄養処方を変更したり、、、。「凄いペースが速いし、医師やナースとのやり取りの多さにビックリした」と大学生。臨床栄養士の仕事どう思ったかな?

2012年7月18日水曜日

アメリカ人はほめ方も半端じゃない?

今日とある委員会に参加したボスが私にくれたカード。その委員会のメンバーたちが私の栄養療法がきちんとしていて、ドクターたちもrespectしてると言ってたという旨の内容。いい栄養士に育って感動したというメッセージ。アメリカの直接伝える文化って凄いです。こっちが照れます。何か嫌な事でもあった時のために(笑)、嬉しいメッセージを記録しておこうっと。

2012年7月16日月曜日

アメリカンな料理:40 clove garlic chicken

今日の夕飯はアメリカンなメニュー

★40 clove garlic chicken:にんにく40かけ入ったチキン
とりもも肉は皮付きのものに塩、パプリカ、ガーリックパウダー、黒こしょうで味付けして小麦粉をまぶす。バターとオリーブオイルを熱した厚手のフライパンに皮を下にしてしっかり焼き色をつける。色がしっかりついたらひっくりかえして全体的に色をつける。鶏肉は一度取り出して、鶏がらと白ワインをフライパンに加えてディグレーズする。そこにとりにくを皮を上にして戻す。フレッシュタイムとフレッシュローズマリーを刻んだものを皮にこするようにつける。にんにくを40かけ加えて、フライパンごとオーブンに入れて350Fで75分焼き煮込む。

★芽キャベツと赤タマネギソテー&ベーコンとブルーチーズトッピング
★ビーツのロースト

すいか&メロン、大きくなあれ〜

すいかの花が咲いてます。40度を超える猛暑だけど頑張れ〜。

お気に入りのシーフードバー

ニューオーリンズ系のシーフード。このレストランめっちゃおいしい。

2012年7月15日日曜日

かき揚げうどん


子供たちが好きかなぁ〜と思って作ったかき揚げうどん。予想に反してあまり好みじゃないみたい。分からんもんだ。

とっても高い栄養剤???

私が担当している集中治療室の患者さんは経腸・静脈栄養が必要な場合が多くなります。そして栄養剤を選ぶときに臨床栄養士はコストとかも考えます。一緒にラウンドをする臨床薬剤師もやっぱりコストとかを考えます。一般的な栄養のコストは一日数ドル〜数百ドルくらい(数百円から数万円くらい:病院のコストで実際に患者に請求する値段は人件費とかも含めたらずっと高いはず)。でも薬剤は高いものは薬剤1つ一日分が原価100万円くらい。ひょえ〜。めっちゃ高い薬剤がベッドサイドに並んでいるとやっぱりみんな気になります。

「全く食べてないのに太るんです」

「全く食べてないのに太るんです」とBMI50を超す女性の患者さん。入院前はしばらく体調不良で食事を全くしていなかったのにと涙気味。話を少し深く聞くと、水は全く飲まず代わりにソーダ(1日あたり800カロリー)そしてバーを二つ(チョコレート、ナッツ、キャラメルバターが混じった高カロリーの棒状のバーで2本で1200カロリー)を摂取していたことが発覚。食事を全くしてなくて体調不良なのに毎日2000カロリー。食事をして食欲があればどうなるのだろう。。。う〜ん、、、難しい。ドリンクは水分だから体に蓄積されないとか、バーは大きさ自体は小さめだから体重を左右しないとか思っているのかな?やっぱり難しい。。。

2012年7月11日水曜日

次の課題、ちょっとずつ

臨床栄養部にはまだまだ改善すべき課題がどっさり。ちょっとずつ修正してますが、次の私のプロジェクトはとろみ飲料のとろみの度合いを改善すること。はっきり言って今はメチャクチャ。「それはもはや飲料ではなく、ピューレ食だ」みたいな、、、とろみ液体が必要な患者は一日、2〜3人と少なめなので、あんまり重視されていないのが実態。各種ジュース、牛乳、豆乳、色々な種類の経口栄養剤、スポーツ飲料、コーヒー、紅茶、炭酸飲料、調整するものがいっぱい。うぐ。

今日の研修医への栄養レクチャーちょい失敗

今日も月一の研修医への栄養レクチャーをしましたがちょい失敗。いつもは7〜8人なのに今日は多分医学生も含めて15人近くいたから資料が足らずに出だしちょっと焦りました(焦る必要は無いのに性格だから仕方ない)。更にいつもはナースの休憩室を借りてやってるので、ちょっとアットホームな感じなのですが、今日は集中治療室のど真ん中で15人が円を囲めるような感じの場所でやったので場所的にもちょっと緊張感がありました(もともと緊張しやすい性格、、)。一番の壁だったのは、二人を除いて研修医は病院勤務をはじめてまた2週間。栄養レクチャーでは栄養学がどうのこうのという話ではなくて、日々の業務で必要な栄養処方・対応を話しているのですが、さすがに2週間では実際にまだ経験したことの無いことばかり。2年目の研修医から質問があったくらいで手応え反応あんまりなし。来年のこの時期はもっと気をつけてやりたいと思います。

2012年7月8日日曜日

「私は野菜を食べません」

残念ながら時々きくセリフ。これ聞くといっつもがっくり。どうしても低学歴&親の影響が大きいよう。私は必ずレタスとトマトが食べれるか確認します。親が少なくともハンバーガーやサンドイッチにトマトと野菜を挟む手間ひまを掛けてきたのかをチェックするため。レタス&トマトが駄目な場合は、ちょっと話を聞いてみると、格安のジャンクフードで育ったか、ネグレクトに近い状態が多い印象を受けてます。アメリカでレタスとトマトが食べれないというのは、日本の感覚だと豆腐とワカメが食べれないという感じでしょうか。一般的にはよく食卓に出るはずなのに、具入りのみそ汁を作ってもらったことがないから食べられないという感覚だと思います。

昨日「野菜は食べれない」言った患者さんは50歳代で超肥満(BMI50)。今まで食べてないから絶対無理とのこと。レタス、トマトももちろん駄目。子供達(とはいっても成人)はどうしてるの?と聞くと、反面教師なのか野菜をよく食べ太ってないとのこと。

この患者さんが子供の頃っていうと40〜50年前。毎日ジャンクフードや冷凍食品を食べるのは難しい時代だったはず。とうもろこし、じゃがいも、豆(インゲンとかじゃなくて安価なうずら豆など)だけは食べれるとのこと。おそらく厳しい環境で育ったのでしょう。肥満とか食習慣って栄養学だけの問題じゃないんですよね、、、だから難しい。

2012年7月3日火曜日

どうにかしたい、、PEGの患者さん

今日は早く帰ろ〜と思って2時半ごろに帰宅準備をしてたら、「PEG の患者さんが今日退院なんだけど質問が沢山あるから診てあげて」とドクター。この患者さんは他のRDが先週一度診た患者さん。患者さんの部屋に入ってちょっと話を聞くと「げ、、、これは難しいケース」という印象をすぐ受けました。PEGから入れる栄養剤と相性が合わないよう。それが原因で在宅では3ヶ月も必要量の半分しか使ってない、、、。

他の栄養剤を試さないといけないし、色々な投与方法も試さないといけないし、、、何で誰もまだ対策していないんだぁ。。。先週、研修医が大勢入ってきたので必死で大変なのは分かりますが、、、保険会社の問題もあるし、誰がメインのドクターかもはっきりしない。メインのドクターは専門医?プライマリー?それとも入院病棟のドクター?、、、状況を解明するだけで時間が掛かりました。午後5時近くなって関与している医師達をつかまえてお話会。。。急遽、もう一日入院することになったので、今日の夜と、明日の午前、午後と違う栄養療法でどれがいけそうかチェックしてみたいと思います。帰りたかったのに〜と思いましたが(家族が今日は待っていたので・・・)、私がここで状況を改善しなくては他の誰がやるという事になります。。。