2012年8月27日月曜日

苦い葉野菜が食べたくて仕方ない、、、の理由?

最近やたら苦くてくせのある葉野菜が食べたくて仕方ない日々が続いてました。多分1〜2ヶ月くらい。ほうれん草やCollard Green(癖のある固くて色が濃いキャベツみたいな感じ)程度ではどうも満足できず、 青汁の材料に使われるKale や大根葉より苦いTurnip greenなどを頻繁に食卓に並べていました。病院のRD仲間にも、絶対何か理由があるはず、、、とは言っていましたがすぐには思いつかず。。。

最近、何か目の調子がとても良くなく20年ぶりに眼科に行きました。目が何だか疲れていたからです。視力はもう2.0ではなくなってしまいましたが、正常でした。

そして、今ひらめきました。。上にあげた野菜はメチャクチャカロテノイドの一つであるルテインが多い。多いというか、異常な含有量。苦い野菜が食べたくて仕方ないのでは、目が必要としてたからかな???

2012年8月24日金曜日

次のRDインターン生

来週からまたRDになるためのインターン生が私たちの病院に1人やってきます。なんと今回は私が指導する期間が4週間。。。うぐ、、普通は1人のRDが最高でも2週間くらいずつ担当するのですが、4週間はさすがに疲れそう。。。朝から晩まで毎日8時間一緒なので、合計160時間のマンツーマン。まあ、アメリカのインターンシップのシステムのおかげで今の私もあるので文句は言ってられませんが、やっぱりちょっと長い。。

2012年8月22日水曜日

「あなたが作ってくれるの?」

私の病院ではシェイク(アイスクリームみたいなもの)をキッチンで作っています。作っているといっても基本的にタンパク質やビタミン&ミネラルを加えるために、材料を3つくらい混ぜて機械に入れてるだけです。

私が超低栄養だと判断した90代の患者さん。「アイスクリーム好きですか」と私。「もちろん」と患者さん。「私たちは自家製のアイスクリームシェークを作ってるんですよ。タンパク質など加えて栄養たっぷりなんですよ」と私。「何だって?」と患者さんのボーイフレンド。90代でボーイフレンドがいるのは素敵です。「私の栄養士が私のためにシェークを作ってくれるんですって」と患者。「・・・」と私。いや、さすがにそこまではしません、、、私たちって別に私自身ではないと言いたかったのですが、患者さん達の耳が遠いことや、雰囲気的にもわざわざ弁解する感じでもなかったので、「それじゃ昼と夜にお付けしますね」という事で終わってしまいました。患者さんは集中治療室にいたのでナースやドクターなどのスタッフも周りに多くいました。きっと「嘘つき〜」と思ったでしょう。

90歳代の人が若かった時ってきっと栄養士ってほとんどいなかったのではないでしょうか。。。アメリカで病院栄養士が献立を作っていると思われたことはありますが、さすがに作っていると思われたのはじめてです。まあどちらにしても患者さんとボーイフレンドといい感じで話がすすみました。また高齢者向けの食事デリバリー(無料かも)などについても話をしました。まあまあセーフティーネットしっかりしてると思います。

2012年8月21日火曜日

保険会社や在宅医療会社とのやりとり

私の病院に来る患者さんには保険が無い人が多いのですが、保険がある場合も、ある意味環境的に弱い人が多いです。アメリカでは患者本人と保険会社が直接交渉して、治療や薬の保険適応について話す事もよくあります。話すというか、激論をか交わす羽目になることもよくあります。でも立場的に弱い感じの人だと、保険会社や在宅医療を扱う会社と激論を交わすことができない人もいます。

先週もでしたが、今日も在宅栄養が必要になる患者さんの栄養処方のことで在宅医療を扱う会社と激論。何もしないと患者さんが、システムとシステムの間に取り残されて、半放置気味になる事もありえます。とりあえず思っている通りの栄養処方が在宅でも出来そうですが、ちょっと心配も残ります。アメリカでは言ったが勝ち。黙っていても何の特もありません・・・。まあ、よく言えば話し合いで何となるってところでしょうか。。。

2012年8月20日月曜日

二糖類分解酵素欠損症???

エイズの患者さんには原因不明で下痢が続く人が多いと思います。いちおう、乳糖不耐症はよく疑われ、乳糖無しの食事が処方されることも多いです。

今もエイズの患者さんで原因不明の下痢の人がいます。私は乳糖に限らず、炭水化物による何らかの不具合を疑っています。原因不明ではなく、エイズによる二糖類分解酵素欠損症という診断もあり得るのでしょうか?大昔のラットの研究ではエイズによる低栄養がリバース可能な二糖類分解酵素欠損症を起こす事があり、低栄養が改善されたり、十分な鉄分が摂取するとリバースできる、、みたいに書いてありました。エイズ患者さんの下痢はホントに難しい・・・。明日感染症ドクター達と話してみよう。エイズ患者さんの下痢対策について何か知ってたら教えて下さい〜

2012年8月17日金曜日

消化管って複雑ですね

病院に入院しても、何が悪いか全く分からないまま治療ができない場合が時々あります。症状を緩和することしかできないと言う事になります。

現在、腸がうまく機能していない患者さんと、食道が狭窄(管が狭くなってつぶれている感じ)の患者さんがいます。どちらも20代。腸の不調がひどい患者さんはとにかく様々な検査を受けましたが、原因不明。すっごくつらいと思います。在宅TPNになる予定です。今日は一日中泣いていたようで、誰も話が出来なかったみたいです。

食道が狭窄というか閉じているしている患者さんも、これからどうなるか気になります。こちらはもうすぐ診断名が出そうです。栄養ルートをそろそろ決める必要があります。


2012年8月13日月曜日

代謝アップする食べ物、体内の余分なものを排出etc

いや〜、本当に栄養系、ダイエット系の情報ってもの凄い量が流れてますね〜。代謝アップ、余計なもの排出、脂肪排出、脂肪をためない、うんぬんかんぬん。。。ホントに凄い量。読む方も大変ですね。 べつに健康に害が無ければ、ある程度好きに書いても犯罪じゃないと思いますが、みんなどんな気持ちで書いてるんだろう〜と思います。「○○だから代謝がアップする」とか書いている人もいますが、「そんな理屈や根拠聞いてことない!」、「それはでたらめでしょっ」ってのも沢山あれば、「まあ実用的ではなくてもあり得なくはない」と思う事もあります。栄養系はまだまだ解明されていないことが山ほどあるけれども、明らかにおかしい理屈を並べてる人もいる。。。栄養士ではない人が栄養のことを書いている場合も多い。栄養士じゃないと栄養のことを語れないって訳じゃないんだけど、誰を信じるかって面白いと思う。つい先日も職場で「私はその手術はしません。テレビであった宣伝で手術をしなくても治る方法があると言っていたので。」。医者のいうことよりも、ビジネスマンの言う事を信じる患者。私の患者さんも「隣の人から糖尿病だとすいかが食べれないって聞いたから食べてない」などなど。。。 ときどき、そういうチマタの健康情報を100%信じて、病院に運ばれる人もいるんです。栄養系で数的に多いと感じるのは、水の飲み過ぎかな。理由は主にデトックスかな。普通に沢山飲む分は大丈夫でも、異常に沢山飲む人もいるんですよね。あとは、妙にある一つのものを、しかも何かの抽出物みたいなのを、毎日毎日、それは真面目に真面目にとり続ける人。 ダイエットにしても食事療法にしても、すごく几帳面で真面目な人へのアドバイスは気を付けた方がいいと思います。ちょっと話がずれてきましたが、すごく真面目な人の場合、食事療法が低栄養・栄養素欠乏症につながるケースも何度もみてきました。

2012年8月11日土曜日

TPNが必要な患者

今日は難し〜い患者さんがやってきました。免疫系の深刻な病気を持っていて、慢性下痢の若い患者。下痢の原因は様々な検査を他の病院でやったのにつかめてません。電解質は激しく乱れてます。食べ物は少しは口にしますが、下痢をします。BMIは落ちに落ちて14。とりあえずTPNを始めるしかないですよね。炭酸水素ナトリウムも大量に投与中。「う〜ん、困った。。。複雑すぎる。。。」、こんな時は同じフロアを担当する臨床薬剤師に電話。状況を説明してTPNの電解質やらTPNに含むことの出来ない炭酸水素ナトリウムの明日の分の投与量の量や、投与経由について質問。TウチのTPNは100%手作りなので、調整が効いて便利ですが、おかげで頭をひねることも多くなります。薬剤師も「うぐ、、、ちょっと考えるわ」と言っていました。何はともわれチームワークは大切。TPNの目的が栄養剤のこともあれば、薬剤のこともあります。線引きするも変ですが、自分なりの境界線があって、薬剤色が強いと思う時は集中治療室以外であっても薬剤師を巻き込みます。

今日は数回この患者の病室を訪問しましたが、布団がグルグル巻きにかけてあって体全体が全く見えません。顔だけみると、とてもふっくらして、電子カルテに表示されているとおり、75キロという感じ。「ちょっと爪を見せてもらってもいいですか?」と言って出てきた腕をみてビックリ。。。”75キロじゃなくて75ポンド(34キロ)じゃん”。電子カルテの記録を担当ナースに変更してもらいました。たぶん、患者の体重が34キロだったて気づかなかったスタッフもいるはず。。。


チームワークと言えば、昨日書いた胃瘻の患者さんの在宅栄養が100%保険でカバーされることになりました。審査が素早い!よかった〜。



2012年8月10日金曜日

医療保険を持ってる患者さんの在宅PEG栄養

ガンの治療中でPEG(胃瘻)から栄養剤を投入している患者さん。なんと医療保険を持っている患者さん。ウチの病院は医療保険の無い人が患者が多く、在宅チューブ栄養が必要な場合は、手作りの栄養剤を作ったり、市販の安い栄養剤を使ったり、色々工夫をしています。

「こんなことは滅多にないよね〜」とソーシャルワーカーと私。なんか二人とも妙に興奮?してしまいました。早速、ソーシャルワーカーがすぐにドクターに電話して、「処方箋を書いてもらえますか?あきが○○って栄養剤を○○だけって言ってるよ」と依頼。あとはソーシャルワーカーが必要書類を揃えて医療保険会社と契約している在宅栄養会社(私とソーシャルワーカーで決めました)に提出するだけ。お〜なんてスムーズなんだぁ。ちょい感動。

この患者さんは既に2ヶ月ほど在宅でチューブ栄養をやっていますが、自腹で栄養剤を買っていたようです。コストが高い事もあって?(毎日の事だからかなりの金額になります)十分な栄養剤を使っていなかったようで体重が激減。入退院のスピードが滅茶速いアメリカの急性期病院。ちゃんとみんなでコーディネートしないと、見逃しも多くなります。前回に担当したRDは誰だぁ〜。

2012年8月8日水曜日

TPNの脂質はホントに感染症になる可能性をあげる?


ASPEN(米国静脈経腸栄養学会)のJPEN の論文によると、TPNの脂質投与によって感染症になる可能性は、脂質投与無しの場合と変わらないとのこと。4000以上の北米でのケースを分析した論文です。脂質を入れるとばい菌とか入ってくるイメージが強いですが(と論文にも書いてあった)、この論文ではそれが否定されました。脂質を投与するか、投与しないか、感染症の観点から集中治療室で議論になることがありますが、感染症の観点からは脂質投与を躊躇しなくてよさそうです。まあ、一つの論文に完全に頼るわけにはもちろんいきませんが。。。こんなのランチタイムに読むなんて私もどんどんオタッキーになってきたわ。でも読みたい論文がどっさり。はぁ。


  • Alessandro Pontes-Arruda
  • Frank Xiaoqing Liu
  • Robin S. Turpin
  • Catherine J. Mercaldi
  • Mary Hise
  • and Gary Zaloga

  • Bloodstream Infections in Patients Receiving Manufactured Parenteral Nutrition With vs Without LipidsIs the Use of Lipids Really Deleterious?
    PEN J Parenter Enteral Nutr July 2012 36421-430

    2012年8月7日火曜日

    とろみ剤を使って一日過ごすぞ〜

    最近とろみ剤を使った飲料の固さ調整をして味見しているところです。味見といっても必ず一つにつき250mlしっかり飲んでいます。炭酸飲料にとろみをつけるのはさすがにNGでしたが。。でもちゃんと250ml飲みました。。。先週金曜日の午後はずっととろみをつけた水を飲んですごしてみました。やっぱり後味いまいちです。近々、一日中とろみ飲料で過ごしてみたいと思います。一番のチャレンジは朝のとろみコーヒー。コーヒー大好きで毎日病院内のスターバックスコーヒーをたっぷり飲んでます。あと私は勤務中に水を1.5リットルくらい飲むんですが(ちょっと飲み過ぎ??)、どうなることやら。。多分一日あたり、とろみ剤から300カロリー以上を摂取することになると思います。水1.5リットルが約200カロリーの飲料にかわります。明日やろう!とか思ってたけど、そういえば今週は隣のデスクのRDがお休み。見物客が多い方が面白いので来週まで待とう。。

    2012年8月5日日曜日

    臨床栄養士におすすめの本

    ★学生&新人栄養士向け★

    Krause's Food & the Nutrition Care Process

    臨床栄養の基礎。アリゾナ州立大学時代に教科書として使っていました。栄養学の学生と新人栄養士にとてもお勧め。イラストも多めで読みやすいです。栄養学を学ぶ全ての人にとってもお勧め。1つだけ教科書を買うとしたら絶対コレ。



    ★新人臨床栄養士向け★

    Nutrition and Diagnosis-Related Care

    仕事で実際に使える情報が豊富。栄養アセスメントに必要な具体的な情報(数値)などが掲載されています。私が使用した当時は、本とPDA版で販売されていました。私はPDA版を職場では常に携帯していました。最初の一年目はこれなしでは、心細くて仕事ができませんでした…。私が尊敬している臨床RDに勧められて購入しました。

      


    ★臨床栄養士&大学院生向け★ 

    臨床栄養の中級版。ニュージャージー医科歯科大学院在籍中に教科書として使っていました。参考文献もしっかりしていて、栄養療法のバックグラウンド、エビデンスが公平に書かれていると思います。栄養療法の根拠が知りたくなったら、とってもお勧めの本。クラスメートにも評判がいいです。読みやすいですが、基本的な栄養学の知識は必要。学部生には難しいかも。

    ★リサーチ系の人向け★

    Biochemical, Physiological, and Molecular Aspects of Human Nutrition

    人間栄養の上級版。ニュージャージー医科歯科大学院在籍中に、教科書として使っていました。生化学が好きな人にお勧め。一見難しい内容だけど、読むと案外分りやすい。でも、栄養学と生化学の英語力がないと読むのが大変かも。内容は、きちんとアップデートしてあり、生化学、体、栄養がきちんと連帯しているので、総合的な理解にも役立ちます。繰り返しますが、生化学が好きな人のみにお勧め。学部生にはとても難しいと思います。

    「ソーダが飲みたい」の重み

    私が集中治療室での栄養管理で心がけているのは、TPNでも、チューブ栄養でも、ソーダでもジュースでも同じ重みがあると言う事。ソーダやジュースが飲みたいという集中治療室の患者さんにすぐに応えるのは、TPNやチューブ栄養を一生懸命管理するのと同じだと思っています。

    昨日のこと、集中治療室のナース二人から「Akiがいない時に、ダイエットレプ(配膳係)の人に電話してソーダが必要だから持ってくるように頼んだら、明日の朝食に付けますって言われたよ」、「分かってないんだよね〜」、「トイレ行きたいって患者が言った時に、明日まで待ってねっていうのと同じだよ」と言われました。ホントにその通り。電話に出れるということはダイエットレプは病院内にいるということ。やろうと思えばできたはず。たかだソーダされどソーダ。生死をさまよい、復活しソーダが飲みたいって言った患者さんの希望は残念ながらかないませんでした。この場合は復活後の話ですが、人生最後のドリンクって場合もあるんです。しかし、最初に飲みたいものがソーダってのはアメリカらしい。。。

    2012年8月3日金曜日

    体の震えが激しくて栄養投与ができない、、、

    体の震えというか、足も腕も激しく延ばしたり曲げたり、首も激しく前後左右に振る患者さんがいます。神経系の専門医も診たようですがどうやらよい対策がないようです。バタバタ体のあらゆる部分を振っている感じなので食事はできません。口に食べ物を入れてもすぐに頭を振ってしまうと思います。鼻からチューブを入れてもチューブがすぐに抜けるのでPEGをつけましたが、PEG開始後に60ml/hr x 24 時間投与で誤嚥を起こしたようです。私の担当フロアにきたのでしばらく患者さんを観察していましたが、誰も見ていない時に吐いたりしたら嘔吐物で窒息する可能性があるのでは、、、と思うくらいでした。頭を30度とか45度とか起こして静止するなんて今の状態じゃ絶対無理。どうしましょう。

    2012年8月1日水曜日

    すっごいリフィーディングシンドローム

    長期に渡る低栄養の後に、急に栄養(ブドウ糖)を与えると検査値(Phos, K, Mg)が激しく乱れるのがリフィーディングシンドローム。もし乱れた電解質を修正しなければ命に関わります。。今回の患者さんは今までの中でも最高にすご〜いリフィーディング。もうリン酸の値は無いに等しいほどになりました(<0.5)。 アルコール中毒で超低栄養(でも見た目ですぐに低栄養だとは分からない)の患者さんが糖尿病性ケトアシドーシス (DKA) で集中治療室にやってきました。DKAのプロトコールは病院によって異なると思いますが、生理食塩水を大量に投与したあとに、血糖値が250とか300以下なら、大量の5%ブドウ糖食塩生理水を投与すると思います。担ぎ込まれて、翌日にはリフィーディング、はやいです。リフィーディングシンドロームと分かっても、ブドウ糖の大量投与、、非常に不思議な感じですが、、、多分ベストな対処法はリフィーディングシンドロームで乱れた電解質をアグレッシブに修正することですよね。他にも治療方法はあるのかな?もとに戻るのは何日か掛かりそうです。ちなみにウェルニッケ脳症とかも気になりますね。ビタミンB1、B6、あとマルチビタミンも投与です。