2013年2月24日日曜日

臨床をやりながら研究すること

うちの病院はセーフティーネット的なせいか貧乏で(?)、1フロア当たりRD1人という感じであんまり人員の余裕がありません。私の病院から転職して他の病院で仕事をしているRDと今週ランチをしました。「うちは、RDの数、凄いよ〜。29人」。ひょえ〜、、凄い人数です。その人も多すぎだと感じているようなので、相当な人数だと思います。でも、研究したり、プロトコール作ったり更新したり、イベント的なものをやったり、色々やる時間があるみたいです。いいな〜。

まあ、私の病院でも少しずつプロトコール作り(=論文レビュー)をする時間は捻出できるかもしれませんが、今のままではさすがに研究は無理。RDが医師や薬剤師のように研究しだすと、また立場が変わってくるとおもいます。とは言っても、医師も相当忙しい感じなので、指導医がマルチセンター研究にデータを提供している感じに留まっている印象をうけます。薬剤師もなんかやってるとは言ってましたが、時間が全く無いといってブーブー言ってました。

もしも、私が何かの研究するとしても、残念ながら語学の壁のため、誰かにリライト(一度私が書いた論文を、最初から全部、根本的にネイティブに書き直してもらうこと)してもらう必要がでてきます。このリライトのことを考えるとさらに難しくなります。私の住む州に栄養系の日本人リサーチャーがいます。ちょうど今私のもとでインターンをしている学生(超優秀)が、この人のリライトをやったと言っていました。日頃からよく話していて、研究の内容が分かっているから、そのリサーチャーが何を言いたいかが分かるので、リライトできたと言っていました。やっぱり研究の内容が分かっている人じゃないとリライトしにくいですよね。。。そんな時間の掛かる作業とても頼みにくい。。。でも絶対に1人ではできませぬ。。。なんか、妙にながい日記になってきました。まだまだ色々と壁は高い!まずは、現実に戻って目の前の仕事から。。。


2013年2月23日土曜日

RDのアプローチの違い

私は水分投与量について他のRDたちと結構違う考えをもっていると思います。基本的に1ml =1kcalと考えて必要水分量を求め、栄養剤に含まれる水分をそこから引き、追加水分を求める方法は変だと思っています。もう一回言い換えてみると、1800カロリーの栄養剤を使っていて、1800mlの水分が必要な場合に、栄養剤の水分量(例えば80%)をその1800mlから引いて、残りを追加水分量とすることが、変だと思います。食べ物の水分も70〜80%くらいですが、食べ物水分量を、飲む水分量からはわざわざ引いたりしませんよね。。代謝の事を考えてもやっぱり変だと思います。1ml =1kcalは、全員一律1800カロリー食と言っているのと同じ低レベルなものだと思います。目安としてはあんまり否定しませんが、とても変だと思います。そもそも1ml=1kcalにはエビデンスはないし、栄養剤や食材の水分はどうするの?という点もはっきりしていません。

でも、こういう疑問をRD歴が長〜い超ベテラン系に問いかけても反応が悪いことが多いです。私の説明が悪いのか、何が原因だか分かりませんが、私が何を言いたいかも分からないようです。私の考えが正しいとか間違っているとかの前に、私と話している相手が、私が何を疑問に思っているのか理解してくれないと話が進みません。最近こういうことがたまにあります。疑問がなければ、何も進展しないと思います。若目の世代だと、とりあえず話は進みます。そうだ、そうじゃない、こう思うよ、みたいな会話が進むので楽しいです。

私たちの世代のRDが栄養をリードするのが当たり前で、それなりの責任が伴うという意識を持っているのに対して、超ベテラン世代では、当たり障りがあまりないレベルで、とても安全な範囲に限った提案/仕事をするという感じがあります。私は、どちらが正しいも間違っているもないと思いますが、インターン生は、RDたちのアプローチとかリードの仕方の違いに相当戸惑っているみたいです。






2013年2月22日金曜日

私のフロアの患者さんたち

今日こそ、ちょっとまた調べ物をしようと思っていたのに、やっぱり無理。外来のガン科から呼ばれて行ったり、経腸栄養が調整できていないのに退院しかけになってた患者さんのドクターに退院延長の話をしたり、バゾプレシン分泌過剰症(SIADH)で水分制限ということになってた患者さんに、「そうじゃなくて、ほとんど塩摂取してないのがもしかしてそれが原因では?」と話してみたり、あーだこーだと飛び回り。。何か今日もあっという間に終わってしまいました。私のフロアの患者さんの症状は、臨床栄養士にとってやりがいがあり、毎日とても興味深い症例ばかりだと、自分でも思うし、周りからも言われます。ただ、これは患者さんはその分大変なことになっているというこ。。。私と同じ年齢で、小さな子供がたくさんいるママの余命がそうは長くなく、ちょっと複雑な経腸栄養。。う〜辛すぎる。。。

2013年2月21日木曜日

下痢の対応

栄養士ならいつも悩まされる患者さんの下痢。今回のASPENでは、意識して臨床薬剤師によるミニレクチャー等を受けてみました。その中の一つが下痢の対応。教科書知識ではなく、実際に病院で下痢の患者さんのアセスメントをやっていたそうです。今日、その臨床薬剤師から、レクチャーで使ったスライドが届きました(メールですが)。じっくり分析して、仕事に応用したいと思います。違う業種で、実際に経験のある人から話を聞くのってホントいいですね!

2013年2月17日日曜日

ASPENで学んだ事を同僚とシェア

ASPENで学んだ事を同僚とシェアしました。ランチタイムにRD全員とインターン生が集合。今週はかなり時間が無かったので、私は食べながらスピーチ・・・。食べながらというか、私が話した事に対して、他のRDがコメントしている時に急いでお食事。。結局、一日目の学会内容を伝えた時点で70分経ってしまったので、残りの二日分は持ち越し。

なんと、ASPEN で発表されたスライドは数週間はダウンロードできないとこのこと。そんなに待ってたら全て忘れてしまいますわ。。。なので、基本的にちょっとしたメモ書きと記憶だけを頼りに同僚とシェア。今週は3連休なので来週もかなり忙しいはず。もし余裕があれば、またランチタイムにみんなで集まる予定。というか、無理してでもやらなくては。。

2013年2月13日水曜日

ASPEN 米国静脈経腸栄養学会が今日で終了:これからの課題など

学会から帰ってきました。3日間、真面目に聞いたので脳みそが疲れました。頭が疲れたので、私の顔と同じくらいの、超アメリカンサイズの巨大チョコチップクッキーを食べました。いや〜、栄養学っていつもの事だけど、奥深い。まあだからこそ面白い。定年退職になるまでに、栄養学の1割だけでも理解できたら嬉しいわ(汗)。。。

それぞれの発表のあとは、質疑応答があるんですが、今日は質問&コメントしちゃいました。私とは栄養療法のアプローチが全く異なる先生への質問。「あなたと同じアプローチの医師といつも議論になる」と言うつもりだったのに本音が出たのか「いつも争い(ファイト)になる」と言ってしまったので、言い直したら、会場から「そうよね」という声が聞かれました。別にどっちが間違いとか正解とか無いと思いますが、影響力がある論文を書く人は、要約文の書き方とかも気を使って欲しいです。

それにしても、ウチの病院でもすぐにでも対策しなくては・・・と思う事がたくさんありました。今年の私の宿題
1)集中治療室での栄養療法プロトコールをつくる。前から言ってるけど、延ばし延ばしになってます。。(汗)
2)経腸、静脈のビタミン、ミネラル、そして微量元素にもっと注意を払う。何らかのプロトコールが必要かも。特に微量元素は過剰投与の弊害も見直す。
3)Open abdomen、お腹がぱっくり開いている患者さんの栄養療法のスタンダードを作るとか、何らかの基準を考える。
4)SBS (短腸症候群)の患者さんの栄養療法を抜本的に見直す。
5)退院後する患者さんが、公共機関によるお食事サービスを受ける事ができるか、もっとちゃんと確認して、低栄養で再入院にならないようにサポートする(=願う?)。もっと地域と連帯できるように努力する。でも、これを単なる私の個人行動ではなく、システムにするんだったら、10年以上とか掛かるかも。どうすんじゃ。。。
6)栄養学の基本も時々復習する。脳みそのキャパが小さくて、忘れる事も多いので、基本も大切にする。
7)もうちょっと速く英語を読めるようにする。聞くスピードにはついていけるけど、読むスピードは遅い。。。みんな一気に問題読んで、10秒内にみんな一気に答えるってのがあったんですが、半分ぐらい間に合わなかった。
あちゃ〜、やること盛りだくさん。自分のメモ書きに残しておきます。

2013年2月4日月曜日

栄養が治療の一部になるとき

病気によっては、大手術をしたり、化学療法をやったり、骨髄移植をしたり、色々な治療を試みると思います。これらには、多額の費用、患者本人や家族の苦労や努力、医療者の挑戦などが必然的に関連してきます。

回復するための治療を受けている患者さんの場合は特に、経腸栄養は医療行為の一部として扱われるべきだと思います。上記のような治療を一生懸命やっても、体の免疫力が落ちていてはどうにもなりません。治るものも治らなかったり、何かに感染しやすくなると思います。確かに食事は大切だと思いますが、十分な栄養がとれていない時に、栄養は楽しみとしてではなく、栄養は治療の一部とみなされるべきだと思います。患者の意識がはっきりしている場合や、食事が摂れている場合でも、栄養が不足しているのならば(もちろん食事療法を試みた後)、一時的に経腸栄養という治療が加わるべきだと思います。もちろん経腸栄養をやっている場合も食事はできます(もちろん誤嚥リスクが高くない場合)。繰り返しますが、特に回復が見込め、患者さんも回復を望んでいる場合です。患者さんが免疫低下、回復の遅れ、感染症に掛かりやすいというリスクを理解して、経腸栄養を拒否するのはよいと思いますが、食事だけで栄養がとれない場合のリスクは患者にしっかり説明されるべきだと思います。