私的サマリー:静脈栄養の電解質(1)(09年7月)
-主にナトリウム-
~~~栄養士が知っておきたいこと~~~
◎電解質はトレンドの観察が大切。一般的に電解質replacementは3-7日かかるけど、ナトリウムはもっとかかることも。
◎尿の正常な量は差があるので、量だけを見ずに検査値等もチェック。一般的な尿の量:0.5-2 mL/kg/hr(50キロなら600ml~2400ml)
◎よくあるIVF(点滴)の組成と、体液の組成の目安を知っておく。例えば、IVFでNaを投与し過ぎていたり、足りなかったしているのに、食事の食塩量にクレームがくる場合とか知っておくと便利(汗…)。あと、体液が失われるときは、電解質もガンガン失われることも知っておく。
◎脱水は脱水でも、水分が失われるたもの、ナトリウムが失われるたもの、その混合のパターンがあることを知っておく。
◎水分は水分でも、水(H2O)、生理食塩水、5%デキストロースなどは、体内で分配される場所が違うことを知っておく。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【IVF(点滴・経静脈投与)の組成】
1/2NS:Na=77mEqmEq/L、Cl=77mEq/L
NS:Na=154mEq/L、Cl=154mEq/L
D51/2NS:Na=77mEq/L、Cl=77mEq/L
D5 NS:Na=154mEq/L、Cl=154mEq/L
D5LR:Na=130mEq/L、K=4mEq/L、Cl=109mEq/L 、HCO3=28 (lactate)mEq/L
独り言~高ナトリウムが心配なときには、NSの代わりに1/2NSを処方すると、1時間当たり100mlとして、一日で約140mEqの違いがでる。これって結構な違いよね。(参考:一般的なナトリウムとカリウムの必要量は、1-2 mEq/kg/d)
でも、瘻孔(Fistula)、下痢、汗、とかから水分が失われる場合は、NaとかClもガンガン失われるので要注意。
【体液の組成】
pH<4の時:2000-2500ml/d、Na=60mEq/L, K=10mEq/L,Cl=90mEq/L
4の時:2000-2500ml/d、Na=100mEq/L, K=10mEq/L,Cl=100mEq/L
Pancreatic:1000ml/d,Na=140mEq/L,K=5mEq/L,HCO3=90mEq/L,Cl=75mEq/L
Bile:1500ml/d,Na=140mEq/L,K=5mEq/L,HCO3=35Eq/L,Cl=100mEq/L
Small Bowel:3500ml/d,Na=100mEq/L,K=15mEq/L,HCO3=25mEq/L,Cl=100mEq/L
Diarrhea:1000-4000ml/d,Na=60mEq/L,K=30mEq/L,HCO3=45mEq/L,Cl=45mEq/L
Urine 1500ml/d, Na=40mEq/L,Cl=20mEq/L
汗も…。
☆Volume DepletionとDehydrationの対応。
Volume Depletionは、これは日本語では何だ…。ネットで検索すると、低容量性ショック、Naの不足、循環血漿量低下とか出てきた。Dehydrationは、脱水、水の不足と出てきた。
■脱水(Dehydration)は、細胞内液(intracellular water)が失われるため、血しょうナトリウムの濃度と浸透圧が上がる(高ナトリウム血症)。
■Volume depletionは、細胞外液(血漿と間質液)(extracellular space)からナトリウムが失われた状態で、消化管出血、嘔吐、下痢、利尿剤などによっておこる(Hyponatremic Volume Depletion、Isotonic Volume Depletion、またはHypernatremic Volume Depletionの分類がある)。
例(目安):
【生理食塩水(1000ML 0.9%Nacl)の場合】
その全てが細胞外液へと行き渡る(Intravascular Space 25%、Interstitial Space75%)。
【5%デキストロースの場合】
細胞内液に2/3、細胞外液に1/3が行き渡る。
【水H2Oの場合】
細胞内液に2/3、細胞外液に1/3が行き渡る。その他少量は唾液腺、消化器官内などに。
例えば、脱水(細胞内液が欠乏している)時に、生理食塩水だけじゃ困るようですね。また、ナトリウムが欠乏している時に、水だけとっても困るようですね。
内科ICU栄養士。食が大好きな一男一女のママ。日本と異なる医療・栄養事情、過去に書いた情報は既に古いことも…あしからず。アメリカ在住。オールアバウトで栄養管理・療養食のガイドもやってます。
2009年7月26日日曜日
2009年7月1日水曜日
私的サマリー:静脈栄養のマクロ栄養(09年7月)
私的サマリー:静脈栄養の栄養素の求め方(09年7月)
~~~栄養士にできること~~
◎肥満患者のエネルギー:BMIに対する開始時点での目安
25 ~30: 20~25 Kcal/kg
30 ~35: 15 to 20 Kcal/kg
35以上: 10 to 15 Kcal/kg
35キロの患者もいれば、250キロの患者もいる。
実際に、患者によっては8カロリー/kgもあれば、50カロリー/kgなんてこともあったし…。
◎炭水化物/デキストロース
・静脈栄養によく使われるのは、Dextrose monohydrateで3.4kcal/g。
・最低でも:1mg/kg/min (50キロの場合はデキストロース約72g。デキストロース5%くらいの生理食塩水を60ml/hrで使った時と同じかな)
・重症患者:4 mg/kg/minute (50キロの場合はデキストロース約290g)
・安定してる患者:5-7 mg/kg/minute。(普段は5mg/kgぐらいが多いかな。もちろん子供はもっともっと多くて大丈夫)
・デキストロースは100-150 gmからはじめて(これはIVFsと同じくらいの量)、2日目を目処に目標量にあげていく。でも、やっぱりデキストロースはゆっくり上げて、たんぱく質は最初から100%投与とか便宜上やりにくいから、全体を少しずつアップしていくってのが多いかも。
◎脂質
・脂質は1g/kg/d以下にする。過剰投与はhypertriglyeridemiaとかreduced lipid clearanceに。その他にも論文などでは弊害が発表されているよう。
・EFAは総エネルギーの2~4%。ホントに不足すると、髪がボロボロ抜けたりする。
・脂質はTG400以上の場合は投与中止する。でも実際は250くらいでホールドするのをよくみるなぁ。やっぱ肝機能が絶好調じゃない時は心配だよね。
・脂質は肝臓にきびしい。もしLFTsが上昇するようだったら、脂肪投与の量や回数を減らす。
・アメリカでは、静脈用のlong-chain&medium chain triglyceridesは今のところ商業用ではなし。研究用のみ。
・材料はSoybean or safflower/soybean emulsions。
・脂質は10%(1100kcal/L)、20%(2000kcal/L)、30%(3000kcal/L)があるけど、実際に使うのは、病院によって10%か20%。30%は調合用。10%と20%を使う、異なる病院で働いたことがあるけど、脂質はmlでオーダーするから、10%と20%を勘違いした処方が出されていて、すごい量が投与されてたのも発見したことも。例えば、10%を250mlなら275カロリーだけど、20%を250mlなら500カロリー。鎮静剤の脂質も1.1kcal/ml。
◎たんぱく質/アミノ酸
・アミノ酸で一般的なのは10%溶液。15%とか20%もあるけど、値段が無茶高い。
◎TPN投与を目的量までもって行く前に
Mg、Phos、KのレベルはOKか?
Gluは200以下か?
TGは400以下か?
そうじゃなければ電解質投与、インスリン投与etc
◎TPNの停止/ホールド
サイクル投与終了時に低血糖になる場合は、2時間かけて投与率を落としていく。
継続PNを中断時も1時間くらい掛けて落としていく。
TPN中断の目安は、患者が1/2-3/4の栄養摂取量をENやPNで補えるとき。
~~~~~~~~~~~~
今回は、標準スタンダードってことで、参考文献なし…。
~~~栄養士にできること~~
◎肥満患者のエネルギー:BMIに対する開始時点での目安
25 ~30: 20~25 Kcal/kg
30 ~35: 15 to 20 Kcal/kg
35以上: 10 to 15 Kcal/kg
35キロの患者もいれば、250キロの患者もいる。
実際に、患者によっては8カロリー/kgもあれば、50カロリー/kgなんてこともあったし…。
◎炭水化物/デキストロース
・静脈栄養によく使われるのは、Dextrose monohydrateで3.4kcal/g。
・最低でも:1mg/kg/min (50キロの場合はデキストロース約72g。デキストロース5%くらいの生理食塩水を60ml/hrで使った時と同じかな)
・重症患者:4 mg/kg/minute (50キロの場合はデキストロース約290g)
・安定してる患者:5-7 mg/kg/minute。(普段は5mg/kgぐらいが多いかな。もちろん子供はもっともっと多くて大丈夫)
・デキストロースは100-150 gmからはじめて(これはIVFsと同じくらいの量)、2日目を目処に目標量にあげていく。でも、やっぱりデキストロースはゆっくり上げて、たんぱく質は最初から100%投与とか便宜上やりにくいから、全体を少しずつアップしていくってのが多いかも。
◎脂質
・脂質は1g/kg/d以下にする。過剰投与はhypertriglyeridemiaとかreduced lipid clearanceに。その他にも論文などでは弊害が発表されているよう。
・EFAは総エネルギーの2~4%。ホントに不足すると、髪がボロボロ抜けたりする。
・脂質はTG400以上の場合は投与中止する。でも実際は250くらいでホールドするのをよくみるなぁ。やっぱ肝機能が絶好調じゃない時は心配だよね。
・脂質は肝臓にきびしい。もしLFTsが上昇するようだったら、脂肪投与の量や回数を減らす。
・アメリカでは、静脈用のlong-chain&medium chain triglyceridesは今のところ商業用ではなし。研究用のみ。
・材料はSoybean or safflower/soybean emulsions。
・脂質は10%(1100kcal/L)、20%(2000kcal/L)、30%(3000kcal/L)があるけど、実際に使うのは、病院によって10%か20%。30%は調合用。10%と20%を使う、異なる病院で働いたことがあるけど、脂質はmlでオーダーするから、10%と20%を勘違いした処方が出されていて、すごい量が投与されてたのも発見したことも。例えば、10%を250mlなら275カロリーだけど、20%を250mlなら500カロリー。鎮静剤の脂質も1.1kcal/ml。
◎たんぱく質/アミノ酸
・アミノ酸で一般的なのは10%溶液。15%とか20%もあるけど、値段が無茶高い。
◎TPN投与を目的量までもって行く前に
Mg、Phos、KのレベルはOKか?
Gluは200以下か?
TGは400以下か?
そうじゃなければ電解質投与、インスリン投与etc
◎TPNの停止/ホールド
サイクル投与終了時に低血糖になる場合は、2時間かけて投与率を落としていく。
継続PNを中断時も1時間くらい掛けて落としていく。
TPN中断の目安は、患者が1/2-3/4の栄養摂取量をENやPNで補えるとき。
~~~~~~~~~~~~
今回は、標準スタンダードってことで、参考文献なし…。
2009年6月19日金曜日
私的サマリー:静脈栄養の投与ルート(09年6月)
私的サマリー:静脈栄養のルート・安全性・指標(09年6月)
~~~~栄養士としてできること&知っておくべきこと~~
◎PNの目安
・腸が使えない AND 深刻な低栄養 OR 5-7日間絶食
・この先5日以上の絶食が予測されているとき。
◎PNのはじめかたの目安
・カロリー、たんぱく質、水分の必要量を求める。
・適切な投与ルートの決定と確保。
・まずは電解質の修正。
・一番最初は、カロリー半分、たんぱく質は目標100%、水分も目標100%でバッグを作成。水分はsterile water(滅菌された水)。ウチの病院では1リットルごとに値段が上がるので、合計2010mlなんてことにならないようにっと。
◎静脈栄養の投与ルート
短期間利用の場合(4週間以内)
■PPN溶液/PPNの使用が必須な投与ルート
・末梢静脈(Peripheral Vein)。手首の近く。
・Midline Catheter(ひじの内側から肩の下辺り)。ピックラインを途中でとめた感じかしら。
・Femoral Vein(大腿(だいたい)静脈、太ももの付け根あたりからおへそ下らへん)
これは普通は継続投与
■CPN溶液/CPNで大丈夫な投与ルート
・PICC((Peripherally inserted central catheters:普段はピックラインって呼んでる、ひじの内側から心臓のすぐ近く(distal superior vena cava/cavoatrial junction)まで。腋窩(えきか)静脈→鎖骨下静脈→上大静脈へ)。日本語でもピックって呼んでいるよう。
・鎖骨下静脈(Subclavian Vein)
・内頚(けい)静脈(Jugular Vein)
こっちは、サイクル投与か継続投与
長期間利用(4週間以上、在宅静脈栄養とか)
投与ルート:Port 又は Tunneled Catheter(Hickman)。日本語ではHickmanカテーテルかな。
これらのカーテルは、放射線科医によって設置される場合が多いが、場所によっては認定された看護師がPICCやMidlinesを設置することも(うちでも)。看護師が設置した場合も必ずX-rayで位置を確認している。例えば、PICCやmidlineなどは薬投与などの目的で造られることもある。投与ルートのことを知っておくと、静脈栄養か経脈栄養か、それとも絶食か…なんて迷っている時に役立つ。既にあれば、静脈栄養のために作らなくていいかね。PICCがあればCPNもokだし。
◎安全な静脈栄養のために
■PPN:濃度は<900 mOsm/L。水分制限のない場合。 一般的に 3-1 admixture。デキストロースとアミノ酸のミックスもPPNとして認識される場合も多い。うちはこのデキストロースとアミノ酸はプレミックスのもある。
3 in 1の溶液(3つの栄養素が一緒に混ぜてあるもの)
アミノ酸 20-60g/L
デキストロース 136-860kcal/L
脂質 200-600kcal/L
Ca + Mg 21 mEq/L以下
鉄 加えないし、入ってない
浸透圧の求め方
Grams Amino Acids x 10 = __ mOsm
Grams Dextrose x 5 = __ mOsm
Grams Fat (30% emulsion) x 0.67 = __ mOsm
Total mEq of Ca, Mg, Na and K x 2 = __ mOsm
________________________________________
Total Osmolarity per Liter of Solution __ mOsm
■CPN:濃度は1500 - 2000 mOsm/L, ミックスは2-1 又は3-1 admixture, central veinのみからの投与。3-in-1は、分離していたら命に関わり超危険。在宅静脈栄養をしている場合は、Dual Chamber Bagsを使う人も、これは袋が2つに分かれていて(脂質とアミノ酸&デキストロース)、使う直前にまぜあわせるもの。
REFEEDING SYNDROMEに注意:Severely malnourished, marasmic, cancer cachexia, eating disorder, alcoholic, elderly
◎何らかの理由でTPNを停止する場合は、停止中はデキストロースの入った溶液(D/10/W)を使う。
~~~~~~
(Q)妊娠3ヶ月で妊娠悪阻(hyperemesis gravida:HEG)のため入院。3週間食事はとれていない。IVFで水分補給をしている。midline catheterはすでにある。栄養療法をどうするか。
(A)既にmidline catheterがあるので、それを使ってただちにPPNを開始。その間に、服薬と併用して食事療法を開始。もしも吐き気・嘔吐が改善されなかったら、central access を作ってTPNを試みる。ASPENによると、midline catheter使用OKな期間は2-4 weeks。教科書的には、経腸栄養(特に)もよさそうだけど、実際にENを使っているHEG患者ををみたことのある人は、クラスメートにも講師にもいない。私もない。つわりの時は、鼻に管が入っているだけで、吐きそうかも。
~~~~栄養士としてできること&知っておくべきこと~~
◎PNの目安
・腸が使えない AND 深刻な低栄養 OR 5-7日間絶食
・この先5日以上の絶食が予測されているとき。
◎PNのはじめかたの目安
・カロリー、たんぱく質、水分の必要量を求める。
・適切な投与ルートの決定と確保。
・まずは電解質の修正。
・一番最初は、カロリー半分、たんぱく質は目標100%、水分も目標100%でバッグを作成。水分はsterile water(滅菌された水)。ウチの病院では1リットルごとに値段が上がるので、合計2010mlなんてことにならないようにっと。
◎静脈栄養の投与ルート
短期間利用の場合(4週間以内)
■PPN溶液/PPNの使用が必須な投与ルート
・末梢静脈(Peripheral Vein)。手首の近く。
・Midline Catheter(ひじの内側から肩の下辺り)。ピックラインを途中でとめた感じかしら。
・Femoral Vein(大腿(だいたい)静脈、太ももの付け根あたりからおへそ下らへん)
これは普通は継続投与
■CPN溶液/CPNで大丈夫な投与ルート
・PICC((Peripherally inserted central catheters:普段はピックラインって呼んでる、ひじの内側から心臓のすぐ近く(distal superior vena cava/cavoatrial junction)まで。腋窩(えきか)静脈→鎖骨下静脈→上大静脈へ)。日本語でもピックって呼んでいるよう。
・鎖骨下静脈(Subclavian Vein)
・内頚(けい)静脈(Jugular Vein)
こっちは、サイクル投与か継続投与
長期間利用(4週間以上、在宅静脈栄養とか)
投与ルート:Port 又は Tunneled Catheter(Hickman)。日本語ではHickmanカテーテルかな。
これらのカーテルは、放射線科医によって設置される場合が多いが、場所によっては認定された看護師がPICCやMidlinesを設置することも(うちでも)。看護師が設置した場合も必ずX-rayで位置を確認している。例えば、PICCやmidlineなどは薬投与などの目的で造られることもある。投与ルートのことを知っておくと、静脈栄養か経脈栄養か、それとも絶食か…なんて迷っている時に役立つ。既にあれば、静脈栄養のために作らなくていいかね。PICCがあればCPNもokだし。
◎安全な静脈栄養のために
■PPN:濃度は<900 mOsm/L。水分制限のない場合。 一般的に 3-1 admixture。デキストロースとアミノ酸のミックスもPPNとして認識される場合も多い。うちはこのデキストロースとアミノ酸はプレミックスのもある。
3 in 1の溶液(3つの栄養素が一緒に混ぜてあるもの)
アミノ酸 20-60g/L
デキストロース 136-860kcal/L
脂質 200-600kcal/L
Ca + Mg 21 mEq/L以下
鉄 加えないし、入ってない
浸透圧の求め方
Grams Amino Acids x 10 = __ mOsm
Grams Dextrose x 5 = __ mOsm
Grams Fat (30% emulsion) x 0.67 = __ mOsm
Total mEq of Ca, Mg, Na and K x 2 = __ mOsm
________________________________________
Total Osmolarity per Liter of Solution __ mOsm
■CPN:濃度は1500 - 2000 mOsm/L, ミックスは2-1 又は3-1 admixture, central veinのみからの投与。3-in-1は、分離していたら命に関わり超危険。在宅静脈栄養をしている場合は、Dual Chamber Bagsを使う人も、これは袋が2つに分かれていて(脂質とアミノ酸&デキストロース)、使う直前にまぜあわせるもの。
REFEEDING SYNDROMEに注意:Severely malnourished, marasmic, cancer cachexia, eating disorder, alcoholic, elderly
◎何らかの理由でTPNを停止する場合は、停止中はデキストロースの入った溶液(D/10/W)を使う。
~~~~~~
(Q)妊娠3ヶ月で妊娠悪阻(hyperemesis gravida:HEG)のため入院。3週間食事はとれていない。IVFで水分補給をしている。midline catheterはすでにある。栄養療法をどうするか。
(A)既にmidline catheterがあるので、それを使ってただちにPPNを開始。その間に、服薬と併用して食事療法を開始。もしも吐き気・嘔吐が改善されなかったら、central access を作ってTPNを試みる。ASPENによると、midline catheter使用OKな期間は2-4 weeks。教科書的には、経腸栄養(特に)もよさそうだけど、実際にENを使っているHEG患者ををみたことのある人は、クラスメートにも講師にもいない。私もない。つわりの時は、鼻に管が入っているだけで、吐きそうかも。
2009年4月18日土曜日
静脈栄養の脂質投与と炎症
プレゼン3つ目は、静脈栄養の脂質投与についてでした。
プレゼンやディスカッションで気になったことのメモ書き:
脂肪無しの静脈栄養を10~20日続けると(幅が広いですね)、必須脂肪酸の欠乏症がでるとのことですが、個人的には明らかな脂肪酸欠乏症は一度しか見たことありません。髪が抜けたりと、ちょっと強烈でした…。オメガ6が欠乏すると、乾燥肌、感染への抵抗低下、傷が上手く治らないなど、オメガ3が不足すると、手足のしびれ、視界のゆがみなどなどみたいですね。
アメリカで、もっともよく使用されている静脈脂質は、大豆ベースで主な成分はオメガ6です。でも、オメガ6は、感染を促進したり、エイコサノイドを増やしたりなどなど、最近問題視されてます。もう一つ使われているのは、大豆ベースと紅花のミックスです。紅花がミックスされている脂質のほうが、pro-inflammatory ω-6 fatty acids は少ないそうです。これ以外は、FDAに認められていません。
しか~し、FDAに認められていないけど、オメガ3が入っているものに「Omegaven」があります。IND(新薬開発)とかリサーチ系という名目では使えるみたいです。このOmegavenを使うことで、PNALD(静脈栄養による肝臓病)をリバースするというデータもいくつか出ているらしいです。ちなみに、PNALDは、サイクル静脈栄養(1日10時間のみとか、2日に1回だけetc)をしても、週に数回の脂質投与にしても(週に3回だけとか)、マイクロ&マクロ栄養に注意を払っても、腸が機能していない人にとっては物凄くリスクの高い病気です。
そして、静脈用脂質には、めちゃくちゃほんのわずかですが、卵が入ってます。卵にアレルギーのある人でも、ほとんどの場合はアレルギー反応を起こさないと言われています。まれ~に、静脈投与の脂質にアレルギー反応を示す人がいるようですが、これは結構大変みたいです(私も経験したことありません)。皮膚にオイルをすりこむとか、ほんのちょっとだけ経口で脂質を摂取(くるみ&フラックスミックス)するなど、有効性が確立していない方法はあるようです。アレルギーがまれなので、リサーチが進んでいないのかもしれません。
まとめとしては、炎症管理のためにも;
・集中治療室で重体患者には1週間はオメガ6脂肪酸を与えないほうがよいかもしれない
・静脈栄養は患者が低栄養でない限りは、7日以降に開始がよいかもしれない(もちろん経腸が無理な場合のみ)
ところで日本の静脈用脂質は何が材料なのでしょう?
プレゼンやディスカッションで気になったことのメモ書き:
脂肪無しの静脈栄養を10~20日続けると(幅が広いですね)、必須脂肪酸の欠乏症がでるとのことですが、個人的には明らかな脂肪酸欠乏症は一度しか見たことありません。髪が抜けたりと、ちょっと強烈でした…。オメガ6が欠乏すると、乾燥肌、感染への抵抗低下、傷が上手く治らないなど、オメガ3が不足すると、手足のしびれ、視界のゆがみなどなどみたいですね。
アメリカで、もっともよく使用されている静脈脂質は、大豆ベースで主な成分はオメガ6です。でも、オメガ6は、感染を促進したり、エイコサノイドを増やしたりなどなど、最近問題視されてます。もう一つ使われているのは、大豆ベースと紅花のミックスです。紅花がミックスされている脂質のほうが、pro-inflammatory ω-6 fatty acids は少ないそうです。これ以外は、FDAに認められていません。
しか~し、FDAに認められていないけど、オメガ3が入っているものに「Omegaven」があります。IND(新薬開発)とかリサーチ系という名目では使えるみたいです。このOmegavenを使うことで、PNALD(静脈栄養による肝臓病)をリバースするというデータもいくつか出ているらしいです。ちなみに、PNALDは、サイクル静脈栄養(1日10時間のみとか、2日に1回だけetc)をしても、週に数回の脂質投与にしても(週に3回だけとか)、マイクロ&マクロ栄養に注意を払っても、腸が機能していない人にとっては物凄くリスクの高い病気です。
そして、静脈用脂質には、めちゃくちゃほんのわずかですが、卵が入ってます。卵にアレルギーのある人でも、ほとんどの場合はアレルギー反応を起こさないと言われています。まれ~に、静脈投与の脂質にアレルギー反応を示す人がいるようですが、これは結構大変みたいです(私も経験したことありません)。皮膚にオイルをすりこむとか、ほんのちょっとだけ経口で脂質を摂取(くるみ&フラックスミックス)するなど、有効性が確立していない方法はあるようです。アレルギーがまれなので、リサーチが進んでいないのかもしれません。
まとめとしては、炎症管理のためにも;
・集中治療室で重体患者には1週間はオメガ6脂肪酸を与えないほうがよいかもしれない
・静脈栄養は患者が低栄養でない限りは、7日以降に開始がよいかもしれない(もちろん経腸が無理な場合のみ)
ところで日本の静脈用脂質は何が材料なのでしょう?
- 脂肪乳剤 (ひ)
- 2009-04-19 17:54:33
- イントラリピッド、イントラファットしか知りませんが、原料は、ダイズ油、卵黄レシチン、グリセリンです。
Omegavenよさそうですね。
- 脂肪乳剤 (あき)
- 2009-04-29 03:41:55
- 私もOmegavenを使ってみる価値ありだと思います。日本でもオメガ6を使用しているのですね。オメガ3と炎症については、きちんとしたエビデンスが無い…という声も出ているようなので(ASPENのリストサーブによると)、これからの動きに注目したいと思います。
- Omegaven (小児外科医)
- 2010-05-26 20:58:06
- 小児期に発症する短腸症候群などの腸管不全は肝機能障害(intestinal failure-associated liver disease=IFALD)を来たしやすく、学会や論文には出ないけど、実は多くの症例が肝不全のために亡くなっているのではないかと以前より考えています。
肝機能障害を来した小児腸管不全症例に対し、臨床研究としてOmegavenを使用しています。またOmegavenの製造販売元の日本法人にも何とか日本国内でも薬事承認がとれるよう働きかけているところです。
- Omegaven (小児外科医)
- 2010-05-26 20:59:42
- 小児期に発症する短腸症候群などの腸管不全は肝機能障害(intestinal failure-associated liver disease=IFALD)を来たしやすく、学会や論文には出ないけど、実は多くの症例が肝不全のために亡くなっているのではないかと以前より考えています。
http://blog.livedoor.jp/motoshi_wada/archives/51764947.html
肝機能障害を来した小児腸管不全症例に対し、臨床研究としてOmegavenを使用しています。またOmegavenの製造販売元の日本法人にも何とか日本国内でも薬事承認がとれるよう働きかけているところです。
- 小児外科医せんせいへ (あき)
- 2010-08-22 02:33:57
- お礼がとても遅くなりましたがコメントありがとうございます。こちらでもomegavenの調査研究はまだまだ続いているようで、学会誌である今月のNCP(Nutrition in Clinical Practice)では、乳児におけるOmegavenの急速投与はtolerateだったという内容が掲載されていました。こちらでもまだ一般には使用許可がおりていませんが、研究が進み適切な承認が下りることを願っております。
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