さて、今週のトピックは小児科。小児科は、栄養士の仕事を他の医療従事者に示ことができる所だと思います。特に、研修医や医学生のいる病院では栄養士の存在はとっても大きいと思います。日本でも小児科栄養士は頼られているのでしょうか。ウチの病院でも、小児科RDはよく頼られ、研修医などから「基礎から栄養学を教えて欲しい」とよく頼まれるみたいです。なんとなくの知識では栄養処方が出せないからですね。また、患者である子供の親も真剣です(大人の患者さんがそうでない言っているのではありません)。ちなみに個人的には、昔は幼児やベビーの栄養学に興味がありませんでしたが(駄目ですね…)、自分に子供ができてやっぱりこの辺は変わってきました…。
当然ですが小児科はホントに大人と違います。「3ヶ月の赤ちゃんの静脈栄養の処方を書いてくれ」と頼まれても、絶対無理です…。もし、これを患者さんの親が見ていたら心配になるかもしれませんが、きちんと小児科専門の栄養士はいますので大丈夫です。
■授業のメモ書き
・メタボリックレートが高くなるため、大人よりも水分、カロリー、たんぱく質の必要量が高くなるそうです(もちろん総量ではありません)。
・PPNの場合はデキストロースは12.5%以下。新生児ではPPNは1,000 mOsm以下。
・TPN、central venous infusionではデキストロースは30%以下。
・静脈栄養ではnonプロテインカロリーの60-75%がデキストロース。
・正期産児の場合、GIR(炭水化物 mg/kg/min)は11-15でok。導入時は5-6を目安に、その後2くらいずつ増やす。正期産児では30まで大丈夫とする団体も。1000g以下のベビーは8.6以下。大人と比較するととっても高いですね。
・赤ちゃんの場合の水分目安量は、100 ml/kg。あくまで目安。
・たんぱく質の必要量の目安は正期産児の場合は2.5 - 3g/kg/day、未熟児は3 - 3.5、1ー12歳は1.5 - 2。
・1歳児以下向けの輸液(Trophamine)には母乳のアミノ酸構成と似ていてタウリン入りのものが既製品としてあるんですね…。
・中性脂肪は大人では400くらいまで脂質投与を止めないガイドライン(でも実際は250くらいでみんな動揺する)だけど、ベビーでは<200。高ければ脂質一時ホールド。
・静脈栄養の合併症は大人と似てるけど、カルニチン欠乏症ってのは小児ならではかな。重度な肝臓病や腎臓病などでは不足する場合あり。
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