小児科栄養の超基礎部分のまとめ。小児科での経験はインターンシップの時+PICUのRDとNICUのRDとの雑談のみで、↓は超基礎的な教科書知識です(例外&他に大切な事が沢山あります)。ちなみに↓を見ると一目瞭然ですが、大人の栄養学とは全く異なりますので、小児科向けの専門資格(Certified Specialist in Pediatric Nutrition (CSP))があります。
(Q1)1000gの赤ちゃんに必要なカロリー、たんぱく質、脂質、水分量は?
(Q2)3歳で14キロ(標準的)の子供に必要なカロリー、たんぱく質、脂質、水分量は?
自問自答してみましたが、やっぱ普段やってないから駄目ですね…。
【低出生体重児の栄養】
・2.5キロ以下では、10-20g/kg/day、2.5キロ以上では20ー30g/kg/dayの体重増加を目指す。身長と頭囲は0.7-1cm/week。
・必要カロリー約120kcal/kg/day (105-130kcalの範囲)。症例によっては150kcal/kg/dayくらい必要なことも。
・PNの場合は、消化にエネルギーを必要としないので、90-120kcal/kg/dayを目安。小児科RDにPNの場合は必要エネルギーを10%減らす人がいたな…。大人の時はこの点考慮していないよう。でも個人的には気にしてます。
・ENの場合、たんぱく質の目安量は:2.5-4g/kg/day
・PNの場合、たんぱく質の目安量は:3-4g/kg/day
・炭水化物は40-50%が目安。グルコース量(mg/kg/min)の許容範囲は体重による。
・脂質の目安は5-7g/kg/day。脂質は総カロリーの40-55%程度。
・出生後、最初の1-2週間で体重が5-15%減少する(Diuresis)。
・水分の目安量(ENの場合):120ー200ml/kg/day。体重などによる。低体重のほうがkg当たりの目安量多目。
・水分の目安量(PNの場合):100ー150ml/kg/day。体重などによる。低体重のほうがkg当たりの目安量多目。
・Taurine for neonates
1000gのベビーの場合は、1日に10~20gの体重増加、必要カロリーは約120kcal、たんぱく質は3-4g(12-16kcal)、脂質は5-7g(45-63kcal)、炭水化物は12-15g(48-60kcal)、水分量は150-200mlって感じかな…。
【小児の栄養】
年齢によって必要栄養量が全く異なるし、活動量にも大きな差。そして、様々な内科、外科、火傷等の疾患の考慮も要…。ここでは、ASPENの臨床ガイドライン「Nutrition Support of the Critically Ill Child」のサマリー(Volume33, Number3 May-June 2009)。重症患者の場合です。
・栄養の過剰投与は肝機能を悪化させたり、高血糖症による感染のリスクがあがる。人工呼吸器(ベンチレーター)の利用な長引くことも。
・Hypocaloric feeding(意図的に必要栄養量を投与しないこと)の場合のデータは無い(大人では有効)。
・たんぱく質の目安量:0-2歳では2-3g/kg/day、2-13歳は1.5-2g/kg/day、13-18歳は1.5g/kg/day。重症火傷などでは、必要量が増えるが4g/kg/day以上では、azotemia、metabolic acidosisなどの問題も。
・脂質の目安量:IVFEの場合は1g/kg/dayからはじめて、中性脂肪をモニターしながら2-4g/kg/dayにあげていく(大人と比較すると凄い量…)。脂質は総カロリーの30-40%に抑える(ASPENによると、これが日常的な処方であるが、抑えるエビデンスは無いとのこと)。他の教科書では25-55%と書かれてました。
・エネルギー量の目安:IC(Indirect Calorimetry)による測定が望ましいが、できない場合は、エネルギーを求める計算式を使う。計算式を使ったものは、誤差も大きいので、注意深いモニタリングとアセスメントが必要。
・炭水化物はPNの場合は40-60%、それ以外はRDAの45-65%(ASPEN Nutrition Support Practice Manualより)。
・水分の目安:1-10 kg (100 ml/kg)、11-20 kg(1000 ml + 50 ml/kg for each above 10 kg)、Above 20 kg(1500 ml + 20 ml/kg for each kg above 20 kg)←授業より
・3歳で14キロの場合は…、たんぱく質は21-28g(84-112kcal)、脂質は28g-56g(252-594kcal)、カロリーは75-90kcal/kgを使うと1050-1260kcal(←は2004年のASPENによるPNにおけるガイドラインsafe practices for parenteral nutritionより)。
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