2009年6月19日金曜日

私的サマリー:静脈栄養の投与ルート(09年6月)

私的サマリー:静脈栄養のルート・安全性・指標(09年6月)

~~~~栄養士としてできること&知っておくべきこと~~
◎PNの目安
・腸が使えない AND 深刻な低栄養 OR 5-7日間絶食
・この先5日以上の絶食が予測されているとき。

◎PNのはじめかたの目安
・カロリー、たんぱく質、水分の必要量を求める。
・適切な投与ルートの決定と確保。
・まずは電解質の修正。
・一番最初は、カロリー半分、たんぱく質は目標100%、水分も目標100%でバッグを作成。水分はsterile water(滅菌された水)。ウチの病院では1リットルごとに値段が上がるので、合計2010mlなんてことにならないようにっと。

◎静脈栄養の投与ルート
短期間利用の場合(4週間以内)
■PPN溶液/PPNの使用が必須な投与ルート
・末梢静脈(Peripheral Vein)。手首の近く。
・Midline Catheter(ひじの内側から肩の下辺り)。ピックラインを途中でとめた感じかしら。
・Femoral Vein(大腿(だいたい)静脈、太ももの付け根あたりからおへそ下らへん)
これは普通は継続投与

■CPN溶液/CPNで大丈夫な投与ルート
・PICC((Peripherally inserted central catheters:普段はピックラインって呼んでる、ひじの内側から心臓のすぐ近く(distal superior vena cava/cavoatrial junction)まで。腋窩(えきか)静脈→鎖骨下静脈→上大静脈へ)。日本語でもピックって呼んでいるよう。
・鎖骨下静脈(Subclavian Vein)
・内頚(けい)静脈(Jugular Vein)
こっちは、サイクル投与か継続投与

長期間利用(4週間以上、在宅静脈栄養とか)
投与ルート:Port 又は Tunneled Catheter(Hickman)。日本語ではHickmanカテーテルかな。

これらのカーテルは、放射線科医によって設置される場合が多いが、場所によっては認定された看護師がPICCやMidlinesを設置することも(うちでも)。看護師が設置した場合も必ずX-rayで位置を確認している。例えば、PICCやmidlineなどは薬投与などの目的で造られることもある。投与ルートのことを知っておくと、静脈栄養か経脈栄養か、それとも絶食か…なんて迷っている時に役立つ。既にあれば、静脈栄養のために作らなくていいかね。PICCがあればCPNもokだし。

◎安全な静脈栄養のために
■PPN:濃度は<900 mOsm/L。水分制限のない場合。 一般的に 3-1 admixture。デキストロースとアミノ酸のミックスもPPNとして認識される場合も多い。うちはこのデキストロースとアミノ酸はプレミックスのもある。 3 in 1の溶液(3つの栄養素が一緒に混ぜてあるもの)
アミノ酸 20-60g/L
デキストロース 136-860kcal/L
脂質 200-600kcal/L
Ca + Mg  21 mEq/L以下
鉄 加えないし、入ってない

浸透圧の求め方
Grams Amino Acids x 10 = __ mOsm
Grams Dextrose x 5 = __ mOsm
Grams Fat (30% emulsion) x 0.67 = __ mOsm
Total mEq of Ca, Mg, Na and K x 2 = __ mOsm
________________________________________
Total Osmolarity per Liter of Solution __ mOsm

■CPN:濃度は1500 - 2000 mOsm/L, ミックスは2-1 又は3-1 admixture, central veinのみからの投与。3-in-1は、分離していたら命に関わり超危険。在宅静脈栄養をしている場合は、Dual Chamber Bagsを使う人も、これは袋が2つに分かれていて(脂質とアミノ酸&デキストロース)、使う直前にまぜあわせるもの。

REFEEDING SYNDROMEに注意:Severely malnourished, marasmic, cancer cachexia, eating disorder, alcoholic, elderly

◎何らかの理由でTPNを停止する場合は、停止中はデキストロースの入った溶液(D/10/W)を使う。
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(Q)妊娠3ヶ月で妊娠悪阻(hyperemesis gravida:HEG)のため入院。3週間食事はとれていない。IVFで水分補給をしている。midline catheterはすでにある。栄養療法をどうするか。

(A)既にmidline catheterがあるので、それを使ってただちにPPNを開始。その間に、服薬と併用して食事療法を開始。もしも吐き気・嘔吐が改善されなかったら、central access を作ってTPNを試みる。ASPENによると、midline catheter使用OKな期間は2-4 weeks。教科書的には、経腸栄養(特に)もよさそうだけど、実際にENを使っているHEG患者ををみたことのある人は、クラスメートにも講師にもいない。私もない。つわりの時は、鼻に管が入っているだけで、吐きそうかも。

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